村越さんはそんな私の焦りには気がつくこともなくそのままゆったりと車をスタートさせた。
車のことは詳しくはないけれど、運転の仕方で人となりが分かるというのは実感している。
母親はいつも軽を運転していてそれにたまに乗せてもらうことがあると急発進、急停止にドリフト走行って感じの、私が乗っていることを忘れているんじゃないかという直情的な運転をする。
村越さんはまるで逆でタクシーのように静かで丁寧な運転をする。想像通りの優しい運転だなと思った。
「それじゃあ出発。このまま高速に乗って多分50分くらいかな」
「高速代くらいしか出せませんがよろしくお願いします」
村越さんはふうっと息を吹いてギロりという効果音聞こえそうなくらいに私のことを睨んだ。
「君はそんなこと気にしないでいい。僕が連れていきたくて君を付き合わせているんだから。それに高速には乗るけど、お金はかからない道を行くから大丈夫」
「そんな道あるんですか」
「平日だし。君は遠慮しすぎ。もっとワガママに大人を利用して好きなことしていいよ。大概大人の方が子供よりずっとワガママ放題しているんだから」
「自由なカウンセラーの村越さんが言うと説得力がありますね」
「生意気な言い方だな。でも本当にその通り。僕くらい歳をとるとそういうことがだんだん分かってくる。君たち若者の方がずっとひたむきで真面目なんだって」
そう話しながら村越さんは車をなめらかに車をカーブをさせていて、まるで踊っているみたいだなと思った。
「ねえ君は大人になるってどういうことだと思う?」
「そうですね……できないことをできるようになったり、誰かを守れるように力をつけたりすることでしょうか」
「まぁ模範解答だと思う。でも僕は逆。大人って出来ない自分や守れない自分を受容できる人間になることだと思う」
正直ハッとした。
私はこれまで普通になれない自分を取り繕うために必死に何かを身につけようと、勉強をして、友だちを作り、オシャレをしてきた。
それは何かを足していく作業ばかりで、今ここにいる自分のありのままの姿を見つめることはできていたんだろうか。
車のことは詳しくはないけれど、運転の仕方で人となりが分かるというのは実感している。
母親はいつも軽を運転していてそれにたまに乗せてもらうことがあると急発進、急停止にドリフト走行って感じの、私が乗っていることを忘れているんじゃないかという直情的な運転をする。
村越さんはまるで逆でタクシーのように静かで丁寧な運転をする。想像通りの優しい運転だなと思った。
「それじゃあ出発。このまま高速に乗って多分50分くらいかな」
「高速代くらいしか出せませんがよろしくお願いします」
村越さんはふうっと息を吹いてギロりという効果音聞こえそうなくらいに私のことを睨んだ。
「君はそんなこと気にしないでいい。僕が連れていきたくて君を付き合わせているんだから。それに高速には乗るけど、お金はかからない道を行くから大丈夫」
「そんな道あるんですか」
「平日だし。君は遠慮しすぎ。もっとワガママに大人を利用して好きなことしていいよ。大概大人の方が子供よりずっとワガママ放題しているんだから」
「自由なカウンセラーの村越さんが言うと説得力がありますね」
「生意気な言い方だな。でも本当にその通り。僕くらい歳をとるとそういうことがだんだん分かってくる。君たち若者の方がずっとひたむきで真面目なんだって」
そう話しながら村越さんは車をなめらかに車をカーブをさせていて、まるで踊っているみたいだなと思った。
「ねえ君は大人になるってどういうことだと思う?」
「そうですね……できないことをできるようになったり、誰かを守れるように力をつけたりすることでしょうか」
「まぁ模範解答だと思う。でも僕は逆。大人って出来ない自分や守れない自分を受容できる人間になることだと思う」
正直ハッとした。
私はこれまで普通になれない自分を取り繕うために必死に何かを身につけようと、勉強をして、友だちを作り、オシャレをしてきた。
それは何かを足していく作業ばかりで、今ここにいる自分のありのままの姿を見つめることはできていたんだろうか。


