相談室のきみと、秘密の時間

「ニヤニヤしないで下さい!」

「うーん、場所はどこがいいかね」

「今あからさまに話を逸らしましたね」

「まあいいじゃない、君はこの夏どこかへ遊びに行ったの?」

「いえ特には」

「なら海なんてどう? 車ならここから1時間くらいだし」

村越さんと海。本当にいいんだろうか。

「でも何だか申し訳ないです」

「遠慮しているの? それとも水着姿になるのは恥ずかしい?」

「水着なんてなるわけないでしょ! からかわないでくださいよ!」

ちぇっと、村越さんは言った気がした。多分気のせいだ。

「まあね。僕もカナヅチだしこっちの人はあんまり海で泳がないと聞いた。寒いもんね」

「村越さんもここ出身じゃないんですか」

「6年前までは東京にいた」

「え、私もそのくらいまで東京でした」

「それなら向こうでも会っているかもね、なんて」

「私たち意外と近くにずっと居たんですね」

「そうだね」

境遇の似ている村越さんに私はどんどん勝手に親近感を抱いていく。