相談室のきみと、秘密の時間

「本当のカウンセラーによるカウンセリングならね。時間は厳密に守らなければいけないし、場所も決まって同じ場所で、椅子の座る場位置すら意味もなく変えたりしたら怒られちゃうくらいなんだけど。でも僕は優秀なカウンセラーじゃないからいい、好きにするんだ」

「そんなにダメなカウンセラーにも見えませんよ」

「君はお世辞がうまいね。でも興味があれば正式なカウンセラーにも会ってみればいい」

「正しいカウンセラーってどんな人ですか」

「そうだね、きっとどこまでも私とあなたは他人、そう突きつけられるような感覚があるだろうね」

そうするように勉強するんだけどね、と村越さんは寂しそうに続けた。

「まぁね。僕たちは安全な場所にいつもいて、話を聞くだけ。痛みを負わないし、血も流さない」

「私には今の所あまり普通のカウンセラーは合わないようです、だからこれからも村越さんにお願いします」

すると、村越さんは吹き出した。

「君はおかしいね。この世界では僕のほうが異端なんだ。普通はこんなの約束と違う。変な話して、その上指図してくるなって怒って逃げるべきなんだ」

それから村越さんは、コーヒーを入れると言って席を立った。