がんじがらめに傅いて




「やっほー、お目付け役ちゃん!!」



その時、きゅるんとした声がどこからともなく聞こえてきて。

見れば、さっき私に凄んできた黒髪にオレンジメッシュが一房入っている彼の後ろから、ひょっこりシェルピンク色の髪をハーフアップにした男の子が顔を覗かせていた。


……間近で、それも直接見ると、髪色がほんとにすごい。



「入寮許可証をあのずんぐりむっくりなカタブツ学院長からぶんどってくるなんて、なかなかやるね!まずはお名前教えてくれる?」



きゅるんとした見目と声で吐かれた言葉とは思えないほど、なんだか刺々しい感情が見え隠れしていた気がしたけど……、気のせい、かな。



「名前……、は、そうですね。どう呼んでもらっても構わないのですが、では風紀委員から取って、ふうとお呼びください」

「風紀委員?ふうちゃん、風紀委員なの?」

「お目付け役と言ったら他の生徒に示しがつかないらしいので、学院長が表向きにはあなた方4人の問題児専用の風紀委員、という名目をつけるみたいです」



淡々と説明しながら、目と鼻の先にある可愛らしい顔を見て、思った。

それにしてもこの人、距離の詰め方やばいなあ……と。