キラキラ王子様は最強女子にご執心らしい。

「玲奈……!!大丈夫!?」

「う、うん……」


しばらく沈黙が続く。



「……瑠美のこと、思い出した?」

「あ……うん、ごめん……」

「謝らないで。悪いのは玲奈じゃないって言ってるだろ」

「そ、そうだけど……悔しいの、大好きで仕方がない理人くんのこと、思い出せなくて……」

「……そんなの、いいんだよ」


ぎゅっと、また抱きしめられた。

その体温のやさしさに、つい涙が溢れてしまった。


「玲奈のことどれだけ好きだかわかってないでしょ。記憶なんかいらない、そこに玲奈がいるってことが大事なんだ」

「っ……」


そんなこと言われたって、私は大好きな理人くんのこと、いっぱい憶えて起きたいんだ。