【完結】失恋したら有名シェフが私を溺愛包囲網で包み込みます。



「おかえり豊佳。待ってたよ」

 私はすぐに龍樹に「龍樹……!?なんでここいるの!?」と問いかける。  

「決まってるだろ。豊佳に会いに来たんだ」

「私に会いに来た……? どの面下げて来たの?」

 今さら何なの? 私に会いに来たとか、迷惑。

「とりあえず、家に上げてくれないか」

「……何しに来たかわからないけど、帰って」 

 追い返そうとしたけど、龍樹は「豊佳の部屋に忘れ物もあるんだ。今日はそれを取りに来た。……頼む、家に上げてくれないか」と頼んできた。

 そう言われて仕方なく、龍樹を家に上げることにした。

「……どうぞ」
 
「ありがとう。悪いな」
 
 龍樹をリビングに通すと、龍樹は「これ、豊佳の好きなフィナンシェ買ってきたんだ。 好きだっただろ?」と私にフィナンシェが入った紙袋を手渡す。

「……ありがとう」

 私は受け取った紙袋をテーブルに置くと、「で、忘れ物はどこにあるの?」と問いかける。

「多分寝室にあると思う」

「じゃあ私が見てくるよ」

 寝室のドアを開けると、龍樹は私の腕を掴んで私の身体を引き寄せる。
 
「ちょ……っと、なにっ!?」

 私を抱きしめてくる龍樹の身体から離れようとするが、龍樹の力が強くてなかなか離れられない。

「龍樹、離してっ……!」

 なんとか離れようともがくと、龍樹は私に「好きだ、豊佳。好きなんだよ、豊佳」と私にキスをしようとする。

「ちょっと、何するの!? 離してっ!」

「豊佳、また俺としたいだろ?セックス」