綺麗な箱庭を作りましょう

二人で話しているうちに、気が付けばお互いに近付いていた。手を伸ばせばあっという間に届く距離にジャックくんがいる。恐る恐るジャックくんの頰に触れる。

「ジャックくん……。私、ジャックくんが好き」

ポロリと口から告白が出てしまった。顔に熱が集まる。ジャックくんの口から「えっ……」と声が漏れた。

「あの、僕はこんな顔だよ。一緒にいたら羽美さんに迷惑が……」

「そんなの関係ない!私、ジャックくんがどうしようもなく好きなの!片時も離れたくないくらい……」

私はジャックくんに抱き付く。ジャックくんの背中に腕を回せば、ジャックくんもゆっくりと背中に手を回してくれた。

「ぼ、僕も、羽美さんと一緒にいたい……。好きなんです」

ジャックくんの声は震えていた。私はジャックくんを強く抱き締めながら言う。

「なら、ずっと一緒にいよう。まずはこの家に住もう。ジャックくんならお父さんたちも許してくれる。あと、家からなるべくジャックくんは出ないで。傷付けられるのを見たくない。アルバイトは在宅でできるものならしてもいいよ」

「うん。ありがとう、羽美さん」

この優しい場所にいれば幸せ。あなたがいればそれでいいから……。