私はあなたのお人形

「……それってさ、つまり由依は一人じゃ何もできないって思わされてるんじゃない？」

「そんなことないよ！ルイスさんは私を心配して言ってくれてるんだから！」

必死に否定するものの、友達の方からは「子ども扱いされている」とかマイナスなことばかり。ルイスさんを馬鹿にされているような気がして、心の奥にチリチリと怒りが生まれ始めた。すると、友達の一人が「そうだ！」と声を上げる。

「理系部の男の子であんたのこと気になってるって言ってる人がいるから、今日講義終わったらデート行って来なよ〜。彼氏ができたら管理人さんも自然と離れるでしょ」

「えっ！？」

突然の提案に驚いたものの、他の友達はみんな「いいね〜！」と私をデートさせる気満々だ。この空気は……断れない。悲しいが、私はNOと言えない日本人の一人なのだ。

「わ、わかった……。とりあえずデートしてみるよ」

この選択が間違いだったということを、私は数時間後に知ることになる。