私はあなたのお人形

満足そうに手を振るルイスさんに頭を下げ、部屋を出て大学まで向かう。外を歩いていると冷たい風が頰を撫でた。確かにこの気温ではコートの方がいいかもしれない。

(ルイスさんがいてよかった……)

大学まではこの寮から歩いて十五分ほどだ。歩いていると、同じ講義を受けている友達に次々と出会う。

「おはよう!」

「おはよ〜!」

挨拶をして、歩きながら色んなことを喋る。講義のこと、バイトのこと、気になる男の子のこと、色々話題は移り変わっていく。私は主に聞き役に徹することが多いのだけど、一人が訊ねたことで風向きが変わった。

「そういえばここ最近、由依の部屋によく管理人さん来るけどどうしたの?」

「確かに〜。昨日も一昨日も出入りしてたよね」

「うちらの部屋には管理人さん来たことないよ。何で由依の部屋にだけ来てるの?」

友達から一気に質問攻めにされ、由依はその勢いに圧倒されながらもルイスの「生活をサポートします」という話をした。すると、友達の一人が顔を顰める。