私はあなたのお人形

「全く、由依さんは僕がいないとダメみたいですね」

そう言って細められたルイスさんの目に、燃えるような激しい想いがあったなど、馬鹿な私は気付くことはなかった。



ルイスさんは宣言通り、私の部屋にほぼ毎日と言っていいほど足を運んで家事をするようになった。洗濯に掃除に料理。至れり尽くせりだ。

「ルイスさん、今日もありがとうございます。じゃあ大学行ってきます」

「由依さん、ちょっと待ってください」

ルイスさんは私を止めると、クローゼットから分厚めのコートを取り出した。

「今日は寒いですから、そんな薄着じゃ風邪を引いてしまいますよ」

「えっ、今日寒いんですか?」

「天気予報は確認してくださいね。ほら、着せてあげますから」

ルイスさんは私が今着ている上着を流し、コートを着せていく。鼻歌混じりにどこか楽しそうで、まるで私はルイスさんの着せ替え人形にされたような気分になった。

「はい。行ってらっしゃい」

「い、行ってきます!」