私はあなたのお人形

「酷いじゃないですか。あなたは僕がいないとダメなのに、他の男とデートに行くなんて……」

ルイスさんが近付いてくる。私はゆっくりと後退りした。でも、すぐに手を掴まれて引き寄せられる。掴まれた手が痛い。

「ル、ルイスさん！痛いです！」

「あなたは僕のものでしょう？裏切るなんて最低ですね」

ルイスさんの目が怖い。手を振り解こうとしても、まるで鎖で縛られたみたいにびくともしない。目に涙が浮かんでいく。

「あなたは僕の大切なお人形です。僕がいないと生きていけないんです。……それを一からちゃんと教えてあげますね」

私の体がふわりと浮き上がる。ルイスさんに抱き上げられたからだ。迷うことなく寝室へと向かう。扉が、静かに閉められた。



あの日から数ヶ月が経った。私は今日もベッドの上から動けない。

「由依さん、おはようございます。今日は寒いですからこのセーターを着ましょうね」

ルイスさんが私の着ているパジャマを脱がせ、肌着やセーターを着せていく。着替えた私を見て、ルイスさんは満足げに笑った。