もっと、甘くして。


「急に熱が出たって聞いたからびっくりしたよ」


そう言うと高山くんは、床に座る。


「......てか懐かしいな、橋本の家に来るの。あんま変わってないな」

「そう......かな」


昔、まだ仲が良かった頃お家に呼んで遊んだことがある。


ゲームしたり漫画を読んだり、一緒にお菓子を食べたり。

懐かしい思い出が蘇ってくる。


だけどそれと同時に、嫌な記憶も出てきて。

ぽろり、と涙かでる。


「は、橋本?!」


私の顔を見た高山くんは慌てだした。


「......なんで」

「え?」


気持ちが溢れてくる。

止まれなくて、全部吐き出すように。


「なんで...昔、一緒に...帰っ...ろうて言った時...」


熱で顔は赤いし泣いているから、もうぐちゃぐちゃだった。


「あんな...酷いこと」

「......っ」


私の言葉に、高山くんは悔しそうにした。