もっと、甘くして。


高山くんは、それ以降も話しかけてきた。

クラスで孤立してる私を気にしているのか、鬱陶しいくらいに。


「橋本、先生が呼んでる」

「ノート提出して」


なんでなの。

高山くんは私のことが嫌いだったんじゃなかったの?


そんな疑問が浮かぶ中、話しかけられてもなるべく避けるようにした。


近づかれそうになったらすぐに逃げ、ばったり会わないように。



そんなことをしていたら


「橋本さんってなんか感じ悪いよねー地味だし」

「高山くんのこと避けるなんてひどくない?」


なんてクラスの間で噂になってしまった。


だけど私の噂を聞いた高山くんは


「そんなことないよ。橋本は穏やかで優しいやつだよ」


私を庇ってくれた。


その発言も意味がわからなくて、胸の奥がズキズキする。


高山くんは、私にしたことをもう気にしてなくて。

私は逆に引きずっててめんどくさい女みたいで。