もっと、甘くして。


「…ごめん。そういうの興味ないから」

「でも俺は、橋本も来てくれたら嬉しいなって…」


なんで?よくそういうこと言えるよね。

私にあんなこと言ったのに。

私にもう恋をできなくさせたのに。


「よくそんなこと言えるよね」


小さな声でそう言った。


…はっ。


気づいた時にはもう遅くて。


「…ごめん橋本。無理言って」


高山くんは暗い顔をして、自分の席に戻ってしまった。



はぁ…いつになったらこのトラウマは無くなるの。

中学の頃仲の良かった友達にも話したけれど。

誰も理解してくれなくて。


考えが子供だとか、忘れればいいとか言われて。


もちろんそんなこと忘れて、次の新しい恋をしたい。

でもあの記憶がよぎるんだ。


私の心は小学生の頃のまま、完全に囚われていた。