「嘘じゃない」
「っ......じゃあなんでぇ...」
そのことを教えてくれない。
私はずっと何年間もその答えを知りたがってたのに。
「...好きだったからだよ」
「へ...?」
「橋本のこと好きで、最初のうちは素直になれたけど...。だんだん大きくなるにつれて恥ずかしくなってきて」
それって...。
「だから、あんな強い言葉言っちゃったんだ」
「......!」
つまり、好きだから恥ずかしくて...?
「思春期の男の子によくある話だよ。...でもだからって許されるなんて思ってない」
「そんな......」
早く、早く知りたかったよ...。
いや、知ろうとしなかったのは私かもしれない。
「ずっと、そのことを謝りたかった」
「......うぅ」
嬉しいのか、悲しいのか分からない涙が滲む。
「ごめんね、こんな男で。橋本、もう俺のこと好きじゃないと思うけど...」
好きじゃないって......。


