「なにここ、すごっ……」
わたしの目の前には、レンガ調で西洋風の今までに見たことのない大きなお屋敷。
ここはわたし達が住む学生寮よりもっと学園の奥にある、特別寮。
プリンス、プリンセスが住むところ。
塀で囲まれているのに、上からわたしを見下ろすその大きさに圧巻される。
一体何坪くらいあるんだろう。
ていうか、ここに住んでるのって三人くらい……だったよね?
なんて、かなり引き気味に考えていると、塀のインターフォンからガチャガチャッとノイズ音が聞こえて。
『1年生の橘様でいらっしゃいますか?』
きっと、カメラでこっちの様子を見ているんだろう。名前を呼ばれて「はいっ!」と慌てて返事した。
「すみませんっ、先生にここに行くように言われてっ」
場違いすぎて、まるで言い訳するみたいに話す。
でも、本当にそう。放課後、少し慌てた様子の先生に言われて、ここまで来た。
『お話は伺っております。今、開けますね』
優しい声と同時に、閉まっていた門扉が自動で開く。
『どうぞそのままお入りください』
「はっ、はいっ!」
勢いよく返事したものの、何となく足を踏み入れるのが躊躇われて。
ドキドキしながら、一歩足を出そうとした時だった。



