熱い女子達の視線を感じてか、不意に顔を上げた九条くん。
その瞬間目があったのは──わたし?
「きゃーっ!こっち見た!今こっち見たよね!?」
ワイワイと盛り上がる隣の女子達。
当の九条くんはというと、もうこっちを見ておらず、前を向いて歩き出しているけれど。
「ね、ねぇ、あかねちゃんのこと見なかった?」
真央ちゃんが、少し興奮した様子でクイクイとわたしのブラウスの袖を引っ張って、声をかける。
確かに一瞬、わたしも目が合ったような気がした。だけど……。
「き、気のせいだよ」
わたしは何故だか咄嗟に、真央ちゃんにそう返事していた。
そして、それはすぐ翌日のこと──。



