「見て!廉(れん)さまだよ!」
何かを見つけ、窓に張り付く女子生徒たち。
そして「きゃーっ!」と、黄色い声が上がる。
わたしと真央ちゃんは顔を見合わせ、つられるように窓の外を見た。
すると外を歩いていたのは、一人の男子生徒。
「九条(くじょう)くん、だっけ?」
真央ちゃんの質問に、こくんと頷く。
英律学園について、まだそれほど詳しくないわたしでも知っている。
同じ一年生の、九条(くじょう)蓮(れん)くん。
スーパーエリート生徒が集まる特進クラスの生徒で、1年生唯一のプリンス。
何でも入学した時からプリンスに選ばれるのは、学園始まってから初だそうで、それはそれはものすごい噂になっていた。
黒髪の彼はアイドル顔負けの容姿で、プリンスという絶対的な立ち位置にいて、正にみんなの憧れの存在。
だけどわたしは、ちょっぴり苦手かもしれない。
普通クラスのわたしと接点なんかないし、喋ったこともないけど、何となく冷たい雰囲気を感じて──って。



