わたしたちは、恋をしない。〜パートナーは王子様?〜


英律学園には、『プリンス』『プリンセス』と呼ばれ、特別待遇される生徒が数名いる。

選ばれる基準については詳しく知らないけれど、家柄も成績も、そして容姿についてさえも、全てにおいてトップクラスの生徒。

それほど特別な生徒だからこそ、自分ばかりが優れていても仕方ない。
優れた生徒だからこそ、優れた人材を育成出来る能力を。

……そんな理事長の考え方により、数年前に作ったとされるパートナーシップ制度。


『退学レベルの生徒が現れた場合、プリンスとプリンセスの中から誰かがパートナーになって、その生徒を育成するの』


さっき先生に教えてもらった情報のことを考えながら、先生に解放された廊下を歩く。

育成猶予は約一年間で、勉強はもちろん、学校行事や私生活においても共にし、トップクラスの生徒になれるよう努力しなきゃならないらしい。

とりあえず、すぐに退学になるわけじゃなくて助かったけど……。


「あかねちゃーん!」


わたしの名前を呼びながら、パタパタと走ってきたのは同じクラスの真央ちゃん。

席が隣で仲良くなって、英律学園で初めて出来た友達。


「先生からの呼び出しって何だったの?大丈夫?」

「あ、うん、大したことじゃなかったよ」


アハハと乾いた笑いを返す。

本当はめちゃくちゃ大した話だったけど、テストが二十八点で退学寸前なんて、とてもじゃないけど言えない。

パートナー制度のことだって、正式な発表があるまで誰にも言わないことって、先生にも言われたし。

そもそも、正式な発表っていつなんだろう……なんて、考えていると、