「……それって蒼井さんのこと?」
え…誰かも聞いちゃうの…
そんなこと聞いても答えがどうあれ、七瀬さんの傷を広げるだけなのに…
「…七瀬には関係ない」
「っ……」
冷たく、突き放すような声が響く。
「…っ私ちょっと外の空気吸ってくるね…!朝に時間取らせちゃってごめん」
バタバタバタ……
今にも泣きそうなくらい震えた声でそう言った七瀬さんは、私の前の扉とは逆の方から出ていってしまった。
…危ない。
普通に盗み聞きがバレるところだった…。
……どうしよう。
教室には天野しかいないはずなのに、空気感が重すぎる…
すぐに入るべきか、トイレでも行ってからまた入るか…
ええい、今来ました、みたいな顔で入っちゃえ!
私はガラッと教室の扉を開けた。


