「お昼誘いに来ただけ。でも翔疲れてそうだから今日はやめとく」
そう言って、荻くんは戻っていっちゃった。
「ったく、あいつ急に来てはすぐ帰りやがって」
チッと舌打ちをする天野。
どうどう……、落ち着いて……!
…ってそうだ!今なら天野に手紙を渡せる!
「天野!」
「何?」
元気よく呼び、自分のポケットからそれを取り出す。
「あ、あのね、さっき七瀬さんに頼まれて、この手紙天野にって……」
「……は?」
天野はその手紙をじっと見つめ、すぐに私の方を見た。
「…蒼井、何お前お人好し?」
「え?そんなことないと思うけど……」
人に頼まれたら、断れないタイプ…ではないと思う。
嫌だったら嫌って素直に言うし、自分にできて、嫌じゃなければ引き受けるってだけで。
「……これ頼まれてどう思った」
天野が突然変なことを聞いてくる。
どう……?
「と、特には…?健気だなぁとは思ったけど…」
「……俺が他の女子に告られても、何とも思わないのな」
ボソッと何か言った気がした。
「ん?なんか言った?」
「…なんでも。それ、受け取っとく」
すんなりもらってくれた。


