ツンデレ王子の溺愛が甘すぎる。


7月中旬。


私と天野が仲直りをした後の数日間、私たちは何事もなくいつも通り過ごしていた…はずだった。




ある日、朝教室に入った時いつもとは違うクラスの光景に驚く。


「天野くん~!勉強教えてよ!」


「私も私も!」


「今度遊びに行こうよ!」



普段、天野のことをツン王子と称し、話しかけている女子たちに加えてクラスの大半の女子が天野の席に集まっていた。



な、何事……?!



いつも静かな後ろの席が、今日は非常に賑やか…というか騒がしい。


「ツン王子が反応してくれた!」だとか、
「冷たいけどそんな対応もかっこいい…!」なんて声も聞こえてくる。