「今日、蒼井が意識してくれてるって知って嬉しかった。だけど、俺はもっと考えてちゃんと決まってから伝えたい」
真剣な眼差しでそう言う。
天野…
もしかしてものすごく真剣に考えてくれてる…?
今すぐ言わないとは言いつつも、嫌われてはない…よね。
「ーーだから、もう少し待って」
「…!うん」
素直に頷いた。
というか私、天野に好きってバレてる…よね。
今更気づいた自分がアホらしいけど…
でも……。
天野の気持ちが固まるまで気長に待とう。
「…翔」
「………何、凪沙」
少し驚かせるつもりで名前を呼んでみたが、すんなり天野は名前で聞き返して来た。
絶対、名前呼ばれるって構えてたでしょ。
「んーん、何でもない…!」
「なんだそれ」
名前を呼び合えたのが嬉しくて、ふふっと笑う。
それを見た天野も微笑んでくれる。
その後、私たちは他愛のない話をしながら下校した。


