ツンデレ王子の溺愛が甘すぎる。


皆が帰り始めると、女子たちはまた集まってくる。


その中でも、七瀬が前に出てきて、


「天野くん、一緒に帰らない?この前のお礼がしたいんだけど……」


「…………」


ほんと何コイツ。


写真拡散しておいて、なんでそんなに平然とした顔でいられんの?


今、俺は蒼井のことしか考えたくないんだよ。


「あ、天野くん?」


機嫌を伺うようにこちらを覗いてきたが


「……っ……ごめん」


きっと今の俺の表情を見て身を引いたのだろう。

すぐに俺の目の前から消えていった。



「……天野」


春園が俺の方にやってくる。


「蒼井は保健室か?」


友達なら知ってるだろうとすぐに聞く。


「……違う」

「は?」


春園は顔を歪めて俺に言ってきた。


「なぎ、あの集団に連れてかれて……体育館裏辺りの倉庫付近で、何か話してた……。何も、助けてあげられなかった……」

今にも泣き出しそうな表情で訴える。



「っ…分かった、すぐ行く」

「うん、お願い…!」


早く見つけないと。


アイツらにボロボロにされた状態でうずくまってるかもしれない。


……くそっ。


無我夢中で走っていた。