1人になる時間はほとんどないほど、人と関わるのが好きだった。


今考えれば、私たちの学校で置かれていた環境は似ていたように思う。


だけれど、私たちが関わることはほとんどなかった。


このときはまだ、私も染野くんに恋愛感情を抱いていなくて、彼に対して「かっこよくて憧れるクラスメイト」といったような認識をもっていた。



「玲奈は好きな人とかいないの?」



当時の私の親友であった、桑田 香乃(くわた かの)ちゃんにはそんなことをよく聞かれていたものだ。



「んー、私はいないかな」

「そっかぁ、玲奈には好きな人いないのか。
過去に恋愛したことは?」

「……実はないんだよねぇ」