「っっ、あ、に、き…。」 ーーーーなら、兄貴は? 俺以上に、その事実に打ちのめされているはずだ。 何よりも大切な莉茉さんを守れなかったと、一番、自分の事を責める。 「………朔くん?」 「っっ、」 そっと、手に触れる温もり。 それにはっと、視線を向ければ、心配そうに俺を見上げる神無の瞳とかち合う。 「病院って、何?」 「………。」 「ねぇ、莉茉がどうかしたの?」 「っっ、神無っ…。」 腕の中の、その温もりにすがり付く。