「俺と美夜も、病院に向かってる最中だ。」 「………、そう。」 「だから朔、お前も直ぐに病院に来なさい。」 「っっ、分かった。」 ぷつりと、切れた通話。 携帯電話を、呆然と見つめる。 ………………莉茉さんが、刺された? だって、笑ってたじゃないか。 あんなに、綺麗に。 ついさっきまで、兄貴と2人で、楽しそうに笑い合っていたのに。 「っっ、何で、だよっ…。」 突然、もたらされたその事実に、俺は打ち砕かれた感覚を覚えた。