「………、」 ゆっくりと女達へ伸ばされた俺の手は、ぴたりと、止められた。 その、温度のない冷ややかな莉茉の声に、はっと、視線を向ければ。 「ねぇ、暁?」 色のない、莉茉の瞳が俺を見つめていて。 「そうなの、暁?」 「っっ、」 無表情で首を傾げる莉茉に、俺の背中にぞくりとした感情が走る。 それは、恐怖ではなく。 ーーーーー歓喜。 「悪かった、莉茉。」 ゆるりと、口角を上げた俺は、女達に背を向け、するりと莉茉の頬を撫でた。