「莉茉。」 高級ホテルの前に止まった車の中にいる私に、先に降りた暁の手が差し伸ばされる。 向けられる、その眼差しは優しい。 まぁ、それはいつもの事。 だけど…。 「………え、暁様が自ら手を差し伸べられているの!?」 「嘘っ、笑っていらっしゃるなんて!!」 「っっ、あんな眼差しをなされるなんて、なんて羨ましいっ!」 ざわつく周囲。 最早、悲鳴にも近い絶叫。 「………。」 うん、期待通りの反応だね。 でもさ? 「ん?」 ちらり、と見上げた私に、暁は甘く微笑む。