あの日。 あの時。 ーーーーあの、瞬間。 もしも、貴方に出会えていなければ、私は自分自身を捨てていた。 未練なく。 躊躇もなく、簡単に。 私を繋ぎ止めるものなんて、この世界に何一つ残っていなかったから。 きっと、間違いなく。 「ーーーお前以外を愛した時は、莉茉が俺を殺せ。」 漆黒を身に纏った暁は、真っ直ぐな眼差しを向け、そんな死んだような私の心を掬い上げた。 惜しみ無い、愛情を差し出して。 嬉かったよ。 胸が震えるくらいに。 込み上げる、歓喜と、幸福感。