「………。」 今日も、窓の外を見つめる。 私の世界は、灰色で。 見えている全てが、モノクロ。 無が、私を支配する。 今日も、 いつもと変わらない1日。 ………………そのはずだった。 がらりと、スライドして開くドア。 「………………茉莉。」 ーーーーその後に聞こえた声は、私が不幸に落とし続けたはずの、莉茉のものだった。 っっ、あぁ、何で、 こんなにも、胸が震えるんだろう。 それなのに、それを莉茉に表す術を、無になった今の私は知らない。