「………。」 そう、なのか? 確かに、俺と朔の目元はお袋に似ていると言われるが。 「まぁ、尊敬する兄貴のお嫁さんになる予定の莉茉さんを奪うつもりも、神無を裏切るつもりもないからさ。」 柔らかく朔は目を細める。 自分の女が心底、愛おしいと言わんばかりの表情で。 「そう、か。」 安堵の溜め息を吐き出した俺は、朔がまた継ぎ足した酒をゆっくりと味わった。