「朔、と呼び捨てで構いませんよ?」 「え…?良いの?」 「えぇ、莉茉さんのは兄の大切な方ですから。」 「じゃあ、朔?」 恐る恐る呼べば、朔はにっこりと笑みを浮かべた。 「これからよろしくお願いしますね?莉茉姉さん。」 それは優美な仕草で笑みを深めると、朔は首を傾げる。 「っ、うん、よろしくね?」 朔の“莉茉姉さん”のフレーズがくすぐったくて、嬉しかった。