「莉茉、大丈夫か?」 「……暁…」 身体をびくつかせた莉茉の顔を覗き込めば、その表情が和らぐ。 「大丈夫だ、莉茉。こいつらは、顔は厳ついけど、皆良い奴等だから。」 「うん。」 頷いた莉茉の視線がゆっくりと、組員達の方へと向けられた。 「あの、」 俺の裾を掴む莉茉の手に力が入る。 「……莉茉です、よろしくお願いします。」 おずおずと控え目に頭を下げた莉茉に、組員達の厳つい顔が一斉に緩む。