「お疲れさまでした。」 「またね、莉茉ちゃん。」 頭を下げる銀次さんと、にこにこ笑顔で手を振る大雅さんに見送られ、暁に肩を抱かれた私は歩き出す。 「………………あっ…。」 駐車場のエレベーターで立ち止まった時、思い出した、その存在。 ーーーーお土産を。 「どうした、莉茉?」 唐突に声を上げた私の顔を、暁が不思議そうな表情で覗き込む。 ………………ヤバイ。 すっかり、忘れてた。 自分の鞄の中を、焦りながら漁る。