「駄目だよ。」 くすくすと、莉茉が笑い声を上げる。 「暁も一緒に選んで?」 「………。」 にっこりと微笑んだ莉茉のお願いを、俺が断られる訳がなく。 「………、分かった、その代わり。」 「その代わり?」 「ーーーー今夜は、覚悟しろよ?」 それぐらいのご褒美、俺になくちゃな? 「っっ、もう…。」 赤らめた頬を膨らませた莉茉に、忍び笑いを押し殺した俺は、華奢な肩を抱き、歩き出した。