「………ち、がくは、ないけど…。」 「けど?」 「折角、暁と一緒に回れる文化祭を、もう少し楽しみたいの。」 視線をさ迷わせる莉茉の、可愛らしいおねだりに、俺の頬が緩む。 「そうか。」 「うん、あっ…。」 「ん?」 「最後に、大雅さんと銀次さんにの2人に、お土産を買わなくちゃ。」 はにかむ莉茉に、俺の中で、大雅と銀次さんに怒りが込み上げる。 土産だと? 「………チッ、あいつらに、莉茉からのお土産なんかいらねぇよ。」 あいつら2人の事を、何かと莉茉が気に掛けるのが、ムカつく。