「水瀬さん。」 「………まだ何か?」 憮然とする父親に、ふっと、口角を上げ、俺は笑みを浮かべる。 「今日にでも、この婚姻届は提出します。」 「………………、そうか。」 「えぇ、ですので。」 笑みを掻き消した俺は、目の前の父親へと強い眼差しを向けた。 「ーーーーーーこれ以上、莉茉に関わるのは、止めて下さい。」 あんたが、莉茉に関わろうとする必要は、もう、ないんだよ。