“家族の一員” それは、私にとって一番、縁遠い言葉で。 『何で私はあんたなんか生んでしまったのかしら。』 母の声が蘇る。 生みの両親からさえ、私は家族として受け入れてもらえる事はなかった。 『あんたなんか生まれてこなければ良かったのよ。』 一番、私に冷淡だったのは母で。 向けられる蔑むようなその冷たい瞳と言葉に何度、胸を痛めたんだろうか。