「知って、る…?」 え、ちょっと、待ってよ。 頭が混乱する。 ねぇ、それって…。 ………………私がお母さんにされていた、あの虐待に近い行為を、お父さんが知ったって事? 「っ、そ、んな…。」 うそ、でしょう? 身体が戦慄く。 目の前が、ぐらりと、揺らいだ。 何で、どうして? お父さんを知るはずがないのに…。 あのお母さんが、上手く隠し続けた真実を、何で知っているの? 「………、莉茉…。」 混乱する私の髪を、暁の大きな手が撫でた。