寵愛の姫 Ⅲ【完】



「大丈夫だ、莉茉。」



ゆるりと、俺の口角が上がる。







………不安だった。




莉茉が両親の元へと帰ってしまったらと考えたら、自分が可笑しくなりそうで。






………………………気が狂いそうだった。



「っ、暁、絶対に帰りたくないよ…。」



その全身で、離れたくないんだと。





嫌なんだと訴える莉茉。







なら、俺は、その望みを叶えよう。






自分自身の為にも。