「っ、暁…?」 黙ったまま、力強く抱き締められて、困惑する。 こんな弱々しい暁の姿を、私は初めて見た。 「ーーーーねぇ、暁。」 ゆっくり、暁の髪を撫でる。 この人が、本当に愛おしい。 ーーーーーそう、思った。 「本当に、どうしたの?」 強くて。 自信に溢れた貴方が、こんなにも揺らぐなんて。 ………………嬉しかった。 私だけに、素の自分を見せてくれているんだって。 愛おしさが沸き上がったの。