「………………本当、馬鹿みたい。」 必死に取り繕うとする両親が、みっともなくて。 ………………陳腐で、馬鹿みたいに思えた。 今さら“家族”を取り繕ったって、はりぼてがぼろぼろと剥がれ落ちていくだけなのに。 ぽつりと零れ落ちた冷たい私の声が、虚像の両親の喚きに掻き消された。 「莉茉さんは将来、私の妻になる女性ですから。」 ひしひしと感じる。 高崎暁の、莉茉に対する深い愛情を。 この人の中には、私の入り込む隙間は、少しも無いんだって事も。