「水瀬さん、私が妻にと望むのは、莉茉さんしかいない事を、覚えておいて下さい。」 「………あぁ。」 力なく頷く、莉茉ちゃんの父親。 それに黙っていない人間がこの場に1人、いる訳で。 「あ、あんな子のどこがっーーーー」 口を開いた莉茉ちゃんの母親に、暁は冷たい目を向ける事で黙らせる。 「っっ、」 そして、言葉を切った莉茉ちゃんの母親は、暁の目を見た瞬間、顔を強張らせた。 蛇に睨まれた蛙。 きっと彼女は、それを今、体験している事だろう。