「莉茉、良く頑張ったな。」 莉茉の手触りの良い髪を撫でる。 ………………やっと、帰ってきた。 他の奴等の視線なんか気にならないぐらいの幸福感。 「ふふ、でしょう?」 俺の腕の中で、くすくすと楽しげに莉茉が笑みを溢した。 「「………っ、」」 そんな俺達を、周囲の生徒達のほとんどが驚愕の眼差しで見つめている。 きっと、明日には莉茉の噂が校内中に知れ渡り、色んな話が飛び交う事だろう。 「莉茉。」 「うん?」 俺の胸元に顔を埋めていた莉茉が、ゆっくり上げた。