友達でもないし。 恋人でもない。 ただの知り合いが一番、私達には近い関係なのかも知れないな。 「………………、そっか…。」 曖昧に笑う私に、神無がそれ以上、叶くんとの何かを聞く事はなかった。 ………優しい子なんだと思う。 でも。 「………うん、叶くんとは、ちょっと前からの知り合い。」 それだけ言って、私は口を噤む。 叶くんとの事を、誰か他の人に話す気には、今はまだなれなかった。