「うん、莉茉は凄いよ。」 クラスメイトだって気が付かない、朔くんの笑顔の微妙な違いが分かるんだから。 「どうして、私が凄いの?」 「だって、短時間で朔くんの笑顔の違いに気が付いたんだもん。」 「え?」 莉茉が首を傾げる。 「他の人は、気が付かないの?」 「…うん。」 「………………そう、あんなに分かりやすいのに。」 唇を尖らせる莉茉に苦笑いを落として、ゆっくりと男子生徒達と話す朔くんへと視線を向けた。