「彼女は、今日からこの1年А組に転入した水瀬さんです。」 クラス全員の視線が彼女へと集まる。 華奢で、ほっそりと長い手足。 儚げで。 寂しげな、その表情。 近くで見た莉茉さんは、やっぱり朔くんのお兄さんが惚れてしまうも無理がないほどに、とても綺麗だった。 「………、水瀬莉茉、です。」 前田先生の紹介の後に、小さく頭を下げた莉茉さん。 その姿さえ、クラス中の視線を釘付けにした。