「彼女は、今日からこの1年А組に転入した水瀬さんです。」 そこで、前田先生に視線を向けられる。 「水瀬さん、皆さんに自己紹介をお願いしますね。」 「………………はい。」 気遣うような目をする前田先生に頷いた私は、覚悟を決めた。 さぁ、始めよう。 新しい、一歩を。 「……………。」 一度、目を閉じ深呼吸。 ーーーー暁、私に力を頂戴ね。 心の中で語りかけ、弱気になる自分を叱咤した私は、ゆっくりと目を開けてクラスメイト達に向き合った。