「だって、前田を怒らせると鬱陶しいんだよ。」 嫌そうに顔をしかめる大雅は、子供のように分かりやすく、唇を尖らせた。 「……………キモ。」 有り得ないだろ、大の大人が。 そんなキモい大雅に冷めた目を向けてから暴言を吐き、俺は煙草をくわえる。 「え、暁、酷いんだけど。」 「あ?」 「ひっ…。」 しくしくと、うざい泣き真似をする馬鹿を睨み付ける事で黙らせて、昔を懐かしむ。 高等部の頃は、大雅はしょっちゅう下らない遊びをしては叱られてたなぁ。 ……………あの、笑顔を浮かべたままの前田に。